「THE WAVE」ネタバレ感想&レビュー

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元同僚に薦められ「THE WAVE」という映画を見た。
ザクッと書くと、ドイツの高校で「独裁」について、1週間の特別授業を行うことになった教師が教育の一環で「独裁」の体験授業をしてみたところ、最初は嫌がっていた生徒たちが次第に団結による一体感にのめり込んでしまい、最後にはとんでもないことになってしまう、という感じ。

これ、1960年代のアメリカで実際に行われた実験を元に作られた映画だそうで、この映画の話の舞台は現代のドイツ。ドイツで「独裁」と言えばヒトラーのナチスですが、ナチスのやったことが最悪だったなんてことはドイツの高校生にとっては退屈な常識にも関わらず、ほんのちょっとしたことで集団心理の狂気に飲み込まれていく様は本当に怖い。

飲み込まれた結果、集団に属さないヤツは排除するみたいな行動に出るわ、組織を妄信的に信じるようになるわ、人間ってのはちょっとしたことでそれまでの信念なんて崩れちゃうんだなぁと思った。

ああいった集団の中で異端の存在になってしまった人の心理みたいのは、あまり描かれていなかったけど、「あれ?自分のほうがおかしいのかな??」みたいに次第になっていくんじゃねぇかなぁと思う。それもまた集団心理の怖いところだなぁと。

当たり前だけど団結すること自体が悪いわけではない。
要は「やりすぎ」がいけないだけ。人がいっぱいいれば、多種多様な考え方があるのが当然で、それを無理矢理に画一的な考え方を押し付けるから歯車が狂っていき、結果としておかしなことになっていくんだと思う。

そういった一連の流れで、画一的な考え方を拡大解釈しちゃったり、人づてに話を聞くことによって、その解釈が独り歩きしちゃうことに問題があるんだろうね。

一歩間違えばどこでも起こりうる話だけにリアルだし、本当に怖い。映画はあくまで学校内のレベルで済んでたけど、今なんかはネットがあるわけで、きっかけさえあれば、口コミが広がるかのような感じで爆発的に広まっていってしまうんだろうなぁ。

・・・と、まぁ、いろいろと考えさせられる映画でした。

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